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はじめに

第一回 武内正樹写真展について


スナップワークの宿命としてショット数は膨大にならざるをえない。モノクロ処理後に現像処理したもの、カラーのまま現像処理したもの、未処理のもの、玉石混交の膨大なデータが残された。
Web個展をしたいとの一心から、ほぼ1年をかけて武内正樹のパソコンからデータの抽出・整理・確認をしたのは寺澤裕久である。生前の個展やホームページのタイトルのほとんどが、PETER HAMMILLのアルバムタイトルや曲タイトルから採られていたことを指摘し、このwebサイトを設計・制作したのも寺澤である。
武内正樹の作品世界にとってかけがえのない伴走者は、いまも一緒に走っている。

ギャラリー フールズ・メイト スタッフ 紫村

 

ひたすら撮り続けた強い信念倒れても撮り続けた強い執念


武内は、ある日、猫と自分を比較していた。
マイペースなところが同じだと。

猫は、魚が大好物だ。
武内は、住み慣れた日常にカメラを向けるのが大好物だ。

猫は、食後、満足気に毛づくろいをする。
武内は、撮影後、画像処理が上手くいくと満足気な顔する。

私は、その時の武内の満足気な笑顔が記憶にある。

今回の個展作品の選出は、武内自身が画像処理をしている作品を極力選んだ。
個展タイトルも、武内が決めるであろうピーターハミルのアルバムタイトルから紫村に選んでもらった。

NOT YET NOT NOW ーまだ、いま、ではないー

朝まで武内といろんな話をした。何度も喧嘩もした。
しかし、2年程前から森山大道展を誘うも、いかない。
音楽談義もなく笑顔も少なく痩せていた。

病院行った方がいいですよ?
病院嫌い!と言っていた。

ある日、余命わずかである事を、知人から聞いた。
再会することは、なかった・・・

最後に、資本主義を嫌ったマイペースの武内とこれからも対話を続けたい気持ちから
武内作品を定期的に公開したいとも考えています。

この個展で、私以上に武内を知る方、初めて武内を知った方が作品を通じ心で対話して頂ければ幸いです。

それでは、ごゆっくりお楽しみください。


ギャラリー フールズ・メイト  寺澤裕久